クライムフィクション

感銘を与えるラストシーン「ショーシャンクの空に」

19 6月 , 2017   Video

1947年、銀行副頭取のアンディは、無実の罪で投獄されてしまう。

刑務所内での暴力や嫌がらせを受ける中で、レッドという友を得るアンディ。

刑務所長の遺産問題を解決したことから、アンディは所長の気に入るところとなり、所内での待遇はぐんと上がっていく。

希望なんて持つものじゃないと諭すレッドと、希望に夢を託すアンディ。

やがて運命は、決定的な夜を迎えさせることになる。

刑務所映画というジャンル

刑務所ものは、もはやひとつのジャンルを成すほど、映画においては定番のものになっています。

その多くは脱獄のサスペンスを主としたものであり、ジャック・ベッケルの「穴」や、ドン・シーゲルの「アルカトラズからの脱出」など、傑作も目白押し。

そういった中で「ショーシャンクの空に」は、少々趣の変わった映画となっています。

といっても、暴力的な描写がないわけではありません。

刑務所映画には付き物ですし、現実にも暴力からは離れられない問題でしょう。

しかしこの映画では、ことさらそこに力を入れていません。

原作がモダンホラー小説の大家である、スティーブン・キングであるにもかかわらず、です。

描かれるのは、過酷な状況の中でも、前向きな姿勢を忘れないアンディの姿です。

飄々として、人当たりのいい青年である彼の姿は、映画の中でも温かみがあります。

しかし、どこか何を考えているのか判らないような冷ややかさも感じさせます。

その辺の微妙な空気を、ティム・ロビンズはうまく演じています。

三つの印象的な場面

刑務所長に、問題解決の褒美としてビールを要求するところ。

仲間の囚人たちにもおすそ分けされて、皆でビールを飲む場面には、なんとも言えない幸福感が満ちています。

そして、アンディが「フィガロの結婚」のレコードを勝手に放送してしまうところ。

刑務所に高らかに鳴り響くモーツァルトの調べ。

呆然とスピーカーを見つける囚人たちの表情。

そして、長く刑務所で過ごしてきた囚人仲間のブルックス。

彼の人生は、アンディとレッドの人生と同じく、見る者の心を打つものがあります。

演じるジェームズ・ホイットモアもまた、俳優人生の長い人ですが、それほど有名ではありません。

彼が主役で輝きを放つのは50年代のSF映画「放射能X」くらいですが、地道な俳優人生と、ブルックスとが重なってなんとも余韻のある演技を見せてしまう。

生涯における名演といっても過言ではありません。

そして結末は

アンディに待つ、刑務所生活の結末は、どう終わりを告げるのか。

多くの人たちに感銘を与えたラストシーンは、今も色褪せることのない美しさに満ちています。


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