スポーツ系ヒューマンドラマ

野球好きでなくても楽しめる一作「マネーボール」

7 8月 , 2017   Video

映画「マネーボール」は2011年9月にアメリカ合衆国で公開され、日本でもその2か月後に公開されています。
本作品は、マイケル・ルイスが記したノンフィクション書籍を基に、ベネット・ミラーが監督を務め、ブラット・ピット主演で制作されました。

ブラット・ピット演じる主人公ビリー・ビーンは、かつてニューヨーク・メッツからドラフト1位指名を受け、将来を嘱望された選手でした。
彼は走力、パワー、守備力、肩、コンタクトスキルを兼ね備えた「ファイブツールプレイヤー」としてスカウトから高い注目を浴びていました。

しかし、彼自身の性格の問題も絡み、選手として大成することは叶いませんでした。
このときの苦い思い出が、彼が選手を正しく評価する方法を模索させる契機となったのです。

引退後、オークランド・アスレチックスのスカウトに転身したビーンは、当時の球団のゼネラルマネージャーであるサンディ・アルダーソンの下で経験を積み、やがて自らがそのゼネラルマネージャーに就任します。
ビーンが舵を取るアスレチックスは貧乏球団であり、ニューヨーク・ヤンキースをはじめとした金満球団とどう渡り合っていくかが大きな課題でした。

そこで彼が着目したのが、「セイバーメトリクス」即ち、過去の統計を用いて選手の評価を行い、そこで従来見過ごされていた選手を格安で獲得していきます。
ドラフト時の古参スカウトと革新的なデータスタッフとの対立、監督やコーチの苦悩、選手たちの葛藤、そしてビーン自身の内情など、様々なものを経て遂にアスレチックスは2003年にその年の30球団の中で最も高い勝率での地区優勝を果たします。

こうして、野球界における新たな試みは成功しました。
さて、本作品「マネーボール」の書籍の原題には「不公平なゲームに勝利する技術」と書かれています。

資金力の差でスター選手を獲れないチームは、「勝利をお金で買うチーム」と互角に渡り合うためには、人が見ていない所(この作品で言えば打者は出塁率、投手は奪三振、与四球、被本塁打など)を見て出し抜く必要があります。

これはビジネスにおいても通じるところでしょう。

また、他球団では使えないと見なされたチャド・ブラッドフォードやスコット・ハッテバーグのような選手が立ち上がる姿は、単純な野球の勝敗や成績だけでは見えない、人間らしさを見せてくれます。
それは、合理的な行動をしながらも、短気ゆえにそれに徹しきれないビーンにも現れます。

年月は経ち評価もまた改められた「マネーボール」ですが、野球が好きかそうでないかに関わらず楽しめる一作になっています。


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